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明治大学キャリア教育としてのインターンシップの意義啓発を期待

優秀賞を受賞した明治大学の海外インターンシップは、日本航空の協力のもとインドネシアで実施されたプログラムでした。実施の裏側やインターンシップアワードへ参加した感想を、同大学就職キャリア支援センターの舟戸一治さん、滝晋敏さんに伺いました。

お話をしてくれた方

舟戸 一治さん/就職キャリア支援部長(中央左)
滝 晋敏さん/生田就職キャリア支援センター(中央右)

キャリア教育の一環としての海外インターンシップ

―まずは今回、インターンシップアワードへ応募しようと思ったきっかけを教えてください。

滝さん:昨年から大学も応募できるようになったということをマイナビの方から聞いたのがきっかけです。

そういう機会があるのであれば、実施した成果として、客観的にどのように評価してもらえるのかというのは興味がありましたので、応募させていただきました。

それから、今回は一緒にプログラムを実施していただいた日本航空様が私たちの期待を常に上回る程協力してくださったので、何か記録として残せたら良いなという想いもありました。

―明治大学では、これまでどのようなインターンシップに取り組んでこられたのですか?

滝さん:国内で行っているAll meijiインターンシップは10年以上の歴史があります。これは夏休み期間中に5日間以上明治大学の学生を受け入れていただくプログラムで、現在では提携している企業が全国で300社以上、参加学生の数は700名ほどになっています。

今回受賞した海外インターンシップは2017年にスタートした新しいプログラムです。もともと関西大学さんがベトナムでインターンシップをしていたのですが、当時の関西大学キャリアセンターの課長さんと初めてお会いした時に、「一緒にやらないか?」と声をかけていただいたのがきっかけです。

4か月の間で、各学生が目覚ましく成長する姿を目の当たりにして、年に一つでも多くのプログラムを実施していこうということで、インドネシアでは2019年2月から当大学で実施をしています。

―インターンシップを実施する上で、どんなことを大切にされていますか?

舟戸さん:インターンシップのもともとの目的は学生のキャリア教育にありますので、自分の将来を考えてもらえるようなプログラムになるように意識しています。そのために、学生がこれまでに体験したことがないようなことをいろいろとプログラムの中に組み込んでいます。

今回のインドネシアの例でいえば、海外でのマーケティングに挑戦するわけですが、現地で働いている当大学のOBOGから話を聞く機会なども設けています。実際にビジネスパーソンとして海外で活躍している方々の話を聞くというのは、現地に行かないとできないことですから、そういう方々との会話からも自分の将来について想いを巡らせてほしいと考えました。

滝さん:いろいろな観点で学べるようなコンテンツが含まれているので、学生の参加理由もさまざまです。リベラルアーツとして、教養教育としての効果も生まれていると思います。

プログラムの目標は“4つの力”を身につけてもらうこと

―受賞されたプログラムはインドネシアで実施されたものでした。開催場所としてインドネシアを選んだのは、どんな理由からでしょう?

滝さん:海外インターンシップはこれまで合計8回、ベトナムとインドネシアで実施しています。これらの国々で実施している理由は、今まさに経済が急速に発展している地域だからです。タイやマレーシアという話もあったのですが、これらの国はすでに成熟しているためダイナミックな社会の変化を感じることは難しいので、発展している部分とそうでない部分、その両方を体感できる環境のほうが学生にとっては良い刺激になるのではないかと考えました。

―日本航空ジャカルタ支店の協力のもと実施されたプログラムでしたね。

滝さん:以前、インドネシアで行ったインターンシップが現地の日本人向けの新聞に取り上げられ、ありがたいことにいくつかの企業様から「うちの会社でもやってみたい」というお声がけをいただいていました。日本航空様も新聞のことはご存知で、お願いにあがったところ今回のプログラムを実現できることになりました。

本来、企業にとっては日常業務でただでさえお忙しい中、労力のかかる部分も大いにあると思いますが、日本航空様は現地支店も日本の本社も「学生の成長に寄与できるのは光栄なこと」と、快く協力してくださいました。今後、学生たちが社会に出ていく上で、海外で働くということの実情を知っておいてほしいという想いもあったようです。また、主に2名の若手現地社員の方が4か月間面倒を見てくださったのですが、このお二人の成長と気付きに繋げたかったというのも狙いとしてあったようです。

―今回のプログラムは、インドネシアにおける日本航空のマーケティング企画を立案するというものでした。内容はどのようにして決めたのですか?

滝さん:インドネシアでは法的な事情もあり、実際にものを売ったりするような体験はなかなか難しいので、マーケティング的な内容でいこうというのは最初からありました。

調査して仮説を立て、企画する。それをプレゼンテーションし、フィードバックを受けて再度練り直す、といったマーケティングの作業は、PDCA的な思考を身につける上でも役立ちますので。

“インドネシアで一番愛される航空会社にせよ”というテーマは日本航空様から提示していただいたものです。なかなかハードルの高いテーマだとは思いましたが、「難しい課題だからこそチャレンジのしがいがある」という学生もいました。

―今回のプログラムを通じて期待していた、学生の成長目標というのはどういったものでしょう?

滝さん:コミュニケーション力、チームワーク力、プレゼンテーション力、一歩踏み出す力、といったものを身につくということを、説明会などの際にも打ち出していました。プログラムは日本では5人1組のチームで進め、現地ではそこにインドネシア大学の学生が2人加わるため、日本航空の方やインドネシア大学の学生、現地の人々など、多くの人たちとコミュニケーションを取ります。さらに考えた企画をプレゼンテーションしたり、現地でアンケート調査を実施したりもするので、総合的な力が養えると考えています。

体験してきたことから気づきを得て、次へとつなげる

―実際に参加された学生にはどのような変化がみられましたか?

滝さん:一つには英語が苦手な学生も現地に行って1日経つと、自分から話すようになっていきます。“喋れなくてもなんとかなる”というのが実感としてわかってくるのでしょう。そういう学生が帰国後に「海外で働くことも視野に就職活動をしてみようと思います」となったり、また、ゼミなどの授業でも積極的に人前で発表するようになったりしています。“ネクストチャレンジが大事”というのはよく話しているのですが、教育効果も着実に表れています。

舟戸さん:海外インターンシップに参加した学生はその後も積極的な行動を取ることが多くあります。例えば、キャリアセンターでは就職活動が終わった4年生に後輩へのアドバイスなどをするキャリアアドバイザーを頼んでいるのですが、こういったことにもよく手を挙げてくれます。

―しっかりと成果が表れているんですね。アワードの受賞にも自信があったのでは?

滝さん:受賞できたら良いなというのはもちろんあったのですが、本当に名前が残るとは思っていませんでした。やっている内容に関しては自信を持って外に出せるものではありましたが。

有識者の方のコメントでもPDCAを回しているプログラムだというところを評価していただいたのは喜ばしいです。4回の事前学習で仮説を立て、プレゼンテーションをし、フィードバックを受け、さらに現地で調査して最終的な提案につなげる、そこをしっかり評価していただけました。

舟戸さん:今回のプログラムはキャリア教育というインターンシップ本来の目的に沿ったプログラムとして実施しています。それが受賞できたというのは、大げさに言えば、本来のインターンシップはどういうものか、社会的にどうあるべきか、ということを認めていただけたのではないかと思っています。

もちろん、インターンシップの本来の目的といったことを大学ばかりが主張することはできません。企業としてのメリットと大学としての目標をすり合わせることが必要です。今回は日本航空様にご協力をいただき、それらがうまく重なったプログラムになりました。

―学生部会からも“事前事後の学習が充実している”という評価がありました。

滝さん:現地に行く前には3カ月間の準備期間を設けています。事前プレゼンテーションをして、それに対するフィードバックを受けて、というのを何度か繰り返していると、それくらいの期間はかかりますが、3カ月間準備をしても現地に行ってから覆るということがあります。それだけ努力するので、達成感も大きなものになるのでしょう。

帰国後2、3週間後には事後学習の場を設けて、振り返りをし、次の目標を立てるところまでやってもらっています。自己評価と他己評価を踏まえて短期的な目標と長期的な目標を立て、みんなの前で発表してもらいます。“行って終わり”では次につながりませんので、その後の学生生活に活かせるようにしています。

アワードを日本のインターンシップ発展の場に

―アワードの受賞について何か反響はありましたか?

舟戸さん:学内広報がまだなので現時点で具体的な反響というのはないのですが、広報誌などに掲載されれば今まで以上にこのプログラムが周知されるのではないかと期待しています。

就職キャリア支援センターとしては、賞をいただいたことで協力いただいた企業様さらには参加した学生に対してもある程度期待に応えられたのではないかという感じもあります。

このアワードをきっかけにまた、企業様のほうからもお声がけいただけるようになると良いなと期待しています。

―今後のインターンシップへの抱負をお聞かせください。

滝さん:これまで参加した学生は全員が「やって良かった」と答えているので、どこの国で実施するかは変わっていくかもしれませんが、プログラムの根幹は変えずに続けていきたいと考えています。間違いなく成長を実感できる場であり、ここで人生観が変わったという学生も数多くいるので、そのきっかけ作りとして我々ができることを最大限にやっていきたいです。

舟戸さん:インターンシップ自体は事後研修で終わるわけですが、それによって気づきを得て、「次に踏み出す」ためのきっかけになれば良いなと思っています。今後も人生の役に立つような、次に踏み出すきっかけになるような何かを得られるプログラムを大切にしていきたい。まさにそれがキャリア教育という意味でのインターンシップだと考えています

―最後にインターンシップアワードには、今後どんなことを期待しますか?

舟戸さん:「こういったものがインターンシップなのだ」と、企業や大学の関係者を啓発していくような活動になっていただきたいと思います。それによって、「そういう成果があるのであれば、うちの大学も頑張ろう!」「うちの会社も協力しよう!」といったことが広まれば良いなと思っています。

滝さん:応募されている企業や大学の取り組みも幅広く紹介していただけると、より社会的な意義が増すのではないかと思います。また、いろいろな大学や企業との情報交換の場、意見交換の場にもなっていってほしいです。そこから新しいアイデアや新しい関係性が出てきて、今までにないものを生み出せるかもしれませんから。

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