event開催報告

2026.06.03第9回キャリアデザインカンファレンス 学生パネルディスカッション

「学生が選ぶ キャリアデザインプログラムアワード」は、学生たちが主役のイベント。そこで3名の学生に、自身が参加したプログラムについて振り返ってもらった。

【司会】
「学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード」選考委員 栗田 卓也

【学生部会メンバー】
東京農業大学 生命科学部 大道さん
日本大学 芸術学部 木村さん
早稲田大学 文学部 田嶋さん

“体験の密度”と“実務への接続”が
学びの実感を生み、満足度の向上につながる

――皆さんが実際に参加して、特に印象に残ったプログラムについて教えてもらえますか?

【大道さん】1つ目は、食品系企業の工場見学です。実際に工場へ入り、設備や現場の雰囲気を直接見られた点が大きな特徴でした。続く商品開発プロジェクトでは、一人ひとりに丁寧なフィードバックをいただき、強みと改善点の双方を学べたことが印象に残っています。2つ目は、人材サービス企業のグミ試作体験です。実際に試作品を手がける独自性の高いプログラムで、多くの学びを得られました。五感を使った味覚評価の実験も体験でき、研究職志望の自分にとって実務に近いプロセスを体験できたことがよかったです。3つ目は、ドラッグストア系企業のプログラム。「何のために働くか」を考えるワークが中心で自己理解を深めることができ、就職活動の指針づくりにつながりました。

【木村さん】参加してよかったと感じているのは、大学主導のキャリア形成プログラムです。学校と企業が協力してプログラムを設計しており、学生にとってキャリアをより身近に感じられる点が魅力。参加する中で、就職活動は企業が主導するものという従来のイメージが変化し、身近な環境でキャリアを捉えることの重要性を実感できました。実際に私が参加したのは、半年間にわたり企業と協働してパッケージ制作やプロモーションを考えるプログラムです。女子大生をターゲットにした製薬パッケージとプロモーションの企画に取り組み、企業担当者や大学の先生、広告代理店の方々と一緒にプロジェクトを進めました。デザインや企画の考え方に加え、広告代理店によるプレゼンテーション手法など、実務に即したスキルを身につけられた点が印象深かったです。

【田嶋さん】私が参加してよかったプログラムは3つあります。1つ目は、自社商材を用いた課題解決型のプログラムです。プレゼンテーションを通じて企画力や提案力を鍛えることができ、社員の方から直接フィードバックをいただくことで、実務への理解も深まりました。2つ目は、法人営業のインターンシップです。学生同士で営業のロールプレイを行い、限られた時間の中で成果を出す経験を通じて、瞬発力や思考力を磨けました。3つ目は、フィールドワーク型のプログラムです。施設を実際に観察し、課題を抽出したうえで施策を考える形式で、状況を分析して解決策へつなげる思考力が培われました。

設計、実施プロセス、フィードバックの不十分さが
プログラムの印象を左右する大きな要因に

――参加したプログラムの中で、物足りなさを感じたポイントは?

【大道さん】細かい点なのですが、あるプログラムでは配布される資料の量が多く、現場見学時に扱いづらさを感じる場面がありました。また、ワークシートの説明が十分でなかったため、活用しきれなかったことも。さらに、フィードバックも発表内容の補足にとどまり、個別への踏み込んだ指摘が少なかったプログラムもありました。インプットやフィードバックがもっと充実していれば、より学びが広がったと思います。

【木村さん】私が残念だと感じたのは、自己理解の時間が十分に確保されていないプログラムです。企業説明が中心となる一方で、実践ワークは用意されているものの、フィードバックが限定的で学びを深めにくい構成でした。その結果、振り返りや内省につながりにくくて…。プログラムの設計と学生の期待との間に、大きなギャップが生じていると感じました。

【田嶋さん】物足りなかったのは、個人作業が多く、他のメンバーと協働する機会が限られていたプログラムです。5日間の中でプレゼンテーションが2回のみというプログラムも、学びの密度としてはやや薄い印象を受けました。フィードバックも、プログラムの印象を大きく左右する要素の一つ。営業ロールプレイのプログラムでは、グループ内での立ち位置や他の参加者との関わり方についてのフィードバックがなく、チームとして成果を出すための動き方に関する助言も十分ではありませんでした。フィードバックの時間が短く、「いいね」で終わってしまうプログラムも、次につながる気づきを得にくかったです。そのほか、実務を想定した制約条件やKPIが設定されていないプログラムはリアリティがなく、物足りない印象を受けました。

早期の自己理解とキャリアの全体像の把握が
低学年向けのプログラムの価値を高める

――低学年向けのプログラムについては、どのように感じていますか?

【大道さん】低学年は、まず自分自身を理解する機会が何より大切。ですから、自己分析につながる内容や、将来やキャリアを考えるきっかけとなる体験があるといいと思います。また、参加する際は企業を知るだけでなく、プログラムの目的が自分の関心と合っているかを見極めることも重要。早い段階で自己理解を深めることはその後の進路選択にも大きく影響し、自分の価値観を知れるおもしろさもあります。そのため、1~2年生のうちからこうした機会を得ることには大きな意義があるでしょう。だからこそ、低学年向けプログラムの認知度がさらに高まることを期待しています。

【木村さん】私は低学年の頃から大学や企業と連携した取り組みに参加してきましたが、その中で特に大切だと感じたのは「身近さ」です。学校と就職活動を切り離して考える学生が多い中、両者をつなぐプログラムがあることで、キャリアへの心理的ハードルは下がると感じています。また、就職活動の進め方を早い段階で知る機会があることも大切。低学年向けのプログラムを通じて選考の流れや企業の見方を気軽に学ぶことができれば、1年生のうちから主体的に将来のキャリアを考えやすくなるでしょう。

【田嶋さん】低学年向けのプログラムには、ビジネスの全体像をつかむきっかけがあると理想的だと思います。たとえば、業界構造や企業の役割、職種ごとの機能が社会とどう結びついているのかといった、全体像をつかめる情報があるとありがたいです。就職活動は、何から始めればいいのか分からない状態だと行動に移しづらく、結果として後回しになりがち。だからこそ、早い段階で全体像を知ることができれば、自発的にキャリアを考えるきっかけにつながるはずです。

――改めてフィードバックの大切さや、プログラムのオリジナリティの重要性、改善点など様々な示唆をいただきました。来年以降のプログラム開発やプログラム内容に盛り込んでいただけると、より良いものになるのではないかと考えております。本日はありがとうございました。

    「学生が選ぶ
    キャリアデザインプログラムアワード」
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