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event開催報告

2022.06.14「インターンシップの効果と発展に向けて」クロージングキーノート

8割の学生が参加するインターンシップ(※)を
より有益なものとして機能させるために

(※)2023年卒マイナビインターンシップ調査

第5回目となるインターンシップアワードカンファレンスは、「効果的なインターンシップ」についての研究に従事する、多摩大学 経営情報学部 初見康行准教授の講演で締めくくられた。「インターンシップの効果と発展に向けて」というテーマで、調査結果・分析をもとに、インターンシップの持つ役割と未来について考察と示唆を論じた。

「本日は3点のテーマを設けています。1つ目はインターンシップの現状・成果について。2つ目がインターンシップのさらなる発展に向けて何ができるのか。そして最後にインターンシップの可能性についてです」

インターンシップへの学生の参加率が8割を越え、学生時代に経験すべき取り組みとして定着したインターンシップという活動だが、「学生・企業・大学それぞれにとって有益なものとして機能しているか、就職活動だけを目的としたものになっていないか。コロナ禍により運営のスタイルも多様化している中、インターンシップの担う役割について、多角的な視点から見直すことが求められていると考えます」と語る。

インターンシップ参加の経験が
大学生活や企業選びの納得感につながる

インターンシップの現状・成果を分析するにあたり、卒業直前の大学4年生2,073名(男性908名、女性1,165名/文系1,227名、理系846名)にアンケートを実施した。
その内容は、インターンシップの参加状況が、就職活動や企業選び、さらには学生生活の満足感・納得感にどう関係するかを問うものだ。

「とても興味深い結果が得られました。インターンシップでの経験に近い業界や企業に入社を決めた学生ほど、就職活動全体の満足感・納得感が高いということです。続いてインターンシップとは全く関係のない業種に入社した学生が並び、最も満足度が低かったのが在学中にインターンシップ活動をしていないグループとなりました。
さらに、入社企業に対する満足感・納得感、そして大学生活全体への満足感・納得感についても、同様の結果が得られたのです」

学生が自発的にインターンシップに参加に向けて行動する。それにより社会人としての第一歩を踏み出す意欲が高まり、さらには大学生活そのものへの満足感や納得感に繋がる。インターンシップという活動自体が、学生・企業・大学にとって今後も推奨すべき価値ある活動であると説明した。

フォローアップや社員との交流が
学生にとって大切な価値となる

有益なインターンシップを、今後さらに発展させていくには、企業・団体や大学として、どういった取り組みが必要なのか。この視点を紐解くのは、第5回インターンシップアワードにエントリーした企業・団体・大学のインターンシップを、実際に経験した3,643名の学生(男性1,712名、女性1,931名/文系2,536名、理系1107名)に、3つの項目でアンケートを行った結果がベースとなった。

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【オンラインのプログラム、対面のプログラム、提供手段と効果の関係について】
オンラインよりも対面のほうが、若干満足感・納得感は高いとは言えるが、開催方法だけでは大きな差は見られなかった。提供手段にこだわるよりも、プログラムの中身に注力することが満足度を高めることにつながりやすい。

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【事前学習・就業体験・事後学習、どのステップに注力すべきか】
すべてのステップが機能しあうことが理想的だが、「就業体験」がもっとも学生の需要が高い。続いて事後学習としての振り返りが求められている。丁寧な後工程、フォローがインターンシップ全体の価値を高める。

【インターンシップで伝えるべき内容について】
就業体験などプログラムの内容を理解することも大切だが、働く人の雰囲気や社風、企業文化を伝えることが納得感につながる。「働く人の雰囲気や社風の知覚」が、学生への影響力が大きいということが確認された。

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「インターンシップの取り組みをもう一段高いレベルに持っていきたいのであれば、手段を検討するよりも、注目すべきは後工程です。フィードバックの内容、タイミングをどのように実施するか作り込む、ということが今後の発展につながるキーワードとなるでしょう。
また、組織のアイデンティティを伝えることも意識してください。このプログラムはウチの会社にしかできないものであるか、という視点で自問自答する必要もあると思います」

学生・企業・大学が意識を新たにし
インターンシップの概念を更新していく

インターンシップが学生・企業・大学にとって一般化したからこそ、抱える課題も浮き彫りになってきている。その一つが、多くの学生がインターンシップを就職活動の一部だと考え、非常に狭い意味合いで捉えがちだということだ。

「インターンシップに参加することを義務と考えていると、本質的な価値や可能性を狭めてしまうのではないかと危惧しています。単なる就業体験という枠を越え、学生生活全体の満足感や納得感に影響を与えるイベントになりつつありますし、社会人として必要な基礎的なスキルやキャリア観を得るチャンスでもある。このような視点を獲得することは、学生にとって非常に有益だといえるでしょう」

また「学生だけでなく、企業や大学側もインターンシップの可能性を最大限活用できる道を考える時期に来ている」と初見准教授は強調する。新卒学生の採用や業界への興味喚起だけに留めることなく、インターンシップに参加した学生とのコミュニケーションで得たものを、実際に自社のビジネスや組織開発に活用する事例も増えてきているという。

「プログラムの設計次第では、企業としてもインターンシップから多様な成果を受け取れる可能性があります。また、大学にとっても学外で経験するインターンシップと学内での学びの相乗効果が得られるような、新たな学習サイクルを作り出すこともできるでしょう」

従来の固定観念にとらわれず、インターンシップが持つ「本質的な可能性や価値」を狭めることがないよう注意し、より広い視点でプログラムの設計する必要性が強まっている。

「これからも、インターンシップってこんなやり方があるんだ、とこれまでの概念を更新、拡張していくような事例を、一つでも多くこのインターンシップアワードを通して発信していきたいと思います」

参加者と受け入れ側の相互作用を高め、より価値のあるインターンシップが広がることを呼びかけ、カンファレンスは閉め括られた。

    「学生が選ぶ インターンシップアワード」
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