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event開催報告

2021.06.04第4回インターンシップカンファレンス キーノートスピーチ

初めてオンラインでの開催となったインターンシップカンファレンスは、前回の大賞受賞法人である生和コーポレーションによる、キーノートスピーチからスタート。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、前回はインターンシップカンファレンスが中止になったこともあり、大賞受賞法人のリアルな声を聞ける貴重な機会になった。

生和コーポレーションは、2021年に設立50周年を迎えた総合建設会社。「賃貸マンション・ビルの建設を通じて『土地にプラスの価値を』創造」というミッションを掲げ、顧客の資産価値の最大化に貢献すると同時に、街づくりや人々のライフスタイルの向上に大きく寄与している。

そんな同社が受賞を獲得したのは、成長支援型のインターンシップ。現場体験と企画・提案型のプログラムがバランスよく組み込まれた10日間のカリキュラムが、多くの学生から高く評価された。「過去のインターンシップアワードの受賞プログラムから、さまざまな学びや気づきを与えてもらいました」と冒頭のあいさつで語った、人事部主任の横川翔さん。少しでも恩返しになれば、と熱い想いを語ってくれた。

学びや成長の体験を提供し、行動変容を促すことが
インターンシップの理想の姿

インターンシップのプログラムを構築する際には、つい自社の魅力や仕事のやりがいをどう伝えるかという会社目線で進めてしまいがち。ところが、人事部主任の横川翔さんは、インターンシップにおいてもっとも重要なのは、「学生の学びを深めることに重点を置くこと」だと語る。

「人事担当者のミッションは、最終的に優れた人材を採用すること。ただ、そこだけにフォーカスしてしまうと、どうしても単に学生ウケを狙ったプログラムになってしまいがちです。そうではなく、私たちは学生一人ひとりに寄り添いながら、その成長を促すプログラムの構築にこだわりました。スピーディな成長に必要な要素は、『目的・目標』『体験・実践』『フォロー』『反省・自己学習』の4つ。これらが上手く機能するプログラムにすることで、学生たちに圧倒的な成長の機会を提供できると考えたのです」

学生たちが成長を実感することで、インターンシップを「楽しかった」と過去形で捉えるのではなく、「もっとその仕事について追求したい」と前向きに取り組むためのきっかけにできるという。

「実際、弊社のインターンシップに参加して、『建築設計への興味が高まりました』と言ってくれた学生がいました。採用シーズンを迎えて、ぜひ選考に参加してもらいたいと思い、その方に連絡をとったのです。すると、あれから建築設計についての学びを深め、業界のコンテストに入賞し、留学することが決まったとのこと。これは極端な例ですが、学生たちに学びや成長の体験を提供し、その後の行動変容を促すことが、インターンシップの理想の姿ではないでしょうか」

大切にしたのは、挑戦機会の提供、個別指導、
見える化による思考の深堀り

前回大賞を受賞した同社のインターンシップのコンセプトは「圧倒的成長」。実力を101%出して限界を超え、自分に足りないものに気づき、「もっと学びたい」「もっと探求したい」と思ってもらえるプログラムを目指したという。

「インターンシップの多くは、ガイダンス→職業体験→成果発表という流れで行われているでしょう。けれども、そうしたプログラムの場合、『楽しかった』と学生が感じたとしても、学んだことを実践する機会がありません。そこで、弊社のインターンシップでは、初日にガイダンス、2~4日目に職場体験、5日目に現場見学を行った後に、学んだことをアウトプットする4日間のグループワークを設けました」

具体的には、130年の歴史を誇る老舗オーダースーツブランドの本社ビルの建て替えにともない、店舗コンセプトや外観・内装デザインを企画するコンペを実施。優秀なアイデアは、実際のプランに採用されるという本格的な取り組みだった。

「弊社のインターンシップの特徴のひとつは、『挑戦機会を与える』ということです。現実のプロジェクトに即したグループワークを実施することで、学生たちのチャレンジ精神を刺激することができました。一人ひとりの学びに合わせた個別指導も、重視したポイント。学生たちに毎日目的と目標を確認してもらい、それぞれのウィークポイントをフォローする体制を構築しました。また、見える化による思考の深堀りも、大切にしたことのひとつ。そのために活用したのが、『目標管理シート』『自己紹介シート』『社員からのフィードバックシート』などのオリジナルシートです」

ハイブリッド型のインターンシップで
コロナ禍でも学生に高い満足度を提供

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、昨年からインターンシップのオンライン化が進んでいる。そんななか、「オンラインインターンシップ元年」とも言える昨年に大賞を受賞した同社では、オンラインとオフラインのハイブリッド型によって、満足度の高いプログラムの実現に成功した。

「社内では当然、対面のほうがやりやすいという声があがりました。けれども、環境の変化にフレキシブルに対応していくことが大事。そこで最終的に、カリキュラムの前半はオンライン、後半は対面もしくはオンラインの選択制にすることにしたのです」

オンラインインターンシップを実施するうえで、必要になってくるのがWebツールや通信環境の整備。さまざまなトラブルが想定されたため、事前のリハーサルを綿密に行うなど、万が一のリスクに備えた準備が欠かせないという。

「また、対面と違ってオンラインの場合、相互コミュニケーションがとりにくいというデメリットがあります。そこで弊社では、SNSを積極的に活用。タイムリーにやりとりができるプラスαのツールを併用することで、学生たちとよりコミュニケーションを深めることができたと感じています」

学生の声に真摯に耳を傾け
改善のPDCAサイクルをまわしていくことが大事

新たにインターンシップを導入したり、既存のものをバージョンアップさせたりするにあたって、「何から手をつけたらいいかわからない」という声も少なくない。数年前の同社も類にもれず、そうだったという。

「1年目はとにかくカリキュラム重視で、ボリュームを詰め込みました。そこから学生の声をもとに、少しずつブラッシュアップ。2年目は、学生目線に立った要素を加え、大賞を受賞した3年目はさらに一人ひとりに寄り添ったフォローをプラスすることにしたのです。そうすることで、学生一人ひとりの成長にフォーカスしたプログラムへと昇華させることができました。大切なのは、学生の期待に応えて改善のPDCAサイクルをまわしていくことだと考えています」

インターンシップを実施している法人の多くが口にするのが、「インターンシップは、学生のためだけにあるのではない」という言葉。社員に刺激を与え、さまざまな気づきを提供する場としても機能している。

「インターンシップは、社員にも学び直しの機会を与える絶好の場だと捉えています。法人がこれからの時代を生き抜くうえで、重要なツールのひとつとなるのではないでしょうか」

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