旭建設株式会社/株式会社伊藤工務店/株式会社K GRIT/ 株式会社フォトラクション/LINE WORKS株式会社(共同プログラム) 受賞レポート

コンセプトは「仕組みを変える、チームで築く」

共同開催というインターンシップの新しいカタチ

千葉に根ざした総合建設会社の旭建設では、2016年からインターンシップをスタート。その取り組みが高く評価され、「第2回学生が選ぶインターンシップアワード」において優秀賞を受賞した。今回大賞に輝いたインターンシップは、同社を中心に社会インフラ整備に携わる伊藤工務店、さまざまな施設の内装工事を手掛けるK GRIT、建設現場のデジタル化を支援しているフォトラクション、LINEのお仕事版サービスを提供するLINE WORKSとの共同プログラムだ。

5社の共同開催という新しいインターンシップが誕生した背景は、文部科学省・厚生労働省・経済産業省の三省合意のもと、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」が改正されたこと。旭建設 管理部の西田文子さんによると、それによって「学生が希望するインターンシップ先に行けないケースが増えたと感じている」という。

「学習としてのインターンシップの重要性が増したことにより、大学などの教育機関が主導するインターンシップが増加しました。さらにインターンシップと称せる5日間以上のプログラムを推奨する傾向が強くなり、その結果、マンパワー不足から学生を受け入れられる企業が足りなくなり、学生が希望する実習先へ行けないという新たな課題が発生したのです。そういった現状を変えたいという想いから、5社による共同実施プログラムを立ち上げました。

課題解決に向けて、西田さんたちが掲げたコンセプトは「仕組みを変える、チームで築く」だ。学生の受け入れを5社で分散することで、企業側の負担を減らし、受け皿を増やす仕組みを構築。さらに、学生は一つのプログラムに参加することで、建築・土木・内装業界のことから現場の働き方を変える建設techまで、多角的に学ぶことができる。そういった新たな取り組みが高く評価されて、大賞の受賞へとつながった。

フィードバックのツールとしてLINE WORKSを活用!

学生の満足度を高め、企業の負担を軽減ことに成功

「千葉の街を築く、建築・土木・内装工事×建設tech」のプログラムは、8月1日~31日の間で実施。参加学生はトータル24名で、前半と後半に分かれて、それぞれが希望する工事現場を体験し、最終日の8月31日に成果報告会を行った。学生たちには、事前に興味がある分野や希望する実習期間などをヒアリング。1社のみの現場実習に参加する学生、複数社への現場実習に参加する学生とさまざまで、計12パターンの学習方法が誕生したという。

「オリエンテーションでは、外部講師として建設関連資格の受験対策講座を開講している『総合資格学院』さまへも協力を依頼。業界の動向や魅力、資格取得の重要性について、第三者の立場から説明を行なう工夫を盛り込みました。また、フォトラクションから無償で提供してもらった、建設現場の業務効率化を実現するアプリを実際に操作。撮影した写真が瞬時に全員に共有できる便利さを、学生たちに体験してもらいました」

現場実習は、旭建設と伊藤工務店、K GRITの3社に分かれてスタート。学生たちは現場の最前線に立ち、それぞれの仕事への理解を深めていった。現場実習とは別に、LINE WORKS本社ではCADソフトの操作スキルを学ぶプログラム、キャリアデザインについて学ぶ座学も実施。そして、最終日の成果報告会では、学生たちがインターンシップを通じて学んだことを、全参加学生や各社の代表、担当者などの前で発表してもらった。

「今回のインターンシップで特に注力した点は、学生へのフィードバックです。日々のフィードバックではLINE WORKSを活用し、学生にはノート機能を使って実習日誌を作成してもらいました。LINEと同じように、気軽に双方向のコミュニケーションが図れるのが大きなメリット。学生の満足度を高めて企業の負担を軽減するという目標を、同時に実現できました。また、プログラム終了後は、成果発表時の各社トップや担当者、共に頑張った仲間からのコメントを盛り込んだ修了証、適性検査の結果を自己開発シートともにフィードバックし、自己理解を深めるサポートを行いました」

「どのような意見も正しい」

お互いを尊重し合うことで5社の意識を一つに

インターンシップの終了後、LINE WORKSを使って学生たちにアンケートを実施。満足度は100%で、「この企業で働きたいと思った、働きたいと考え始めた」という学生は9割を超える結果となった。「共同で行うことで他社との比較ができた」「共同のプラグラムのほうがやりがいがあり、満足度が高い」「現場でフォトラクションやLINE WORKSがどのように使われているのかを知ることができてよかった」など、共同プログラムは学生たちから高い評価を獲得した。

「5社の共同開催という新しいインターンシップということもあり、私たちの取り組みは数々の新聞やWebメディアに取り上げてもらうことができました。その結果、5社のブランディングと採用力の向上にもつながったと感じています」

ただ、「5社の共同開催だからこその難しさもあった」と振り返る西田さん。特に、価値観や風土が異なる企業間での合意形成に苦労したという。そんななか、「仕組みを変える、チームで築く」というコンセプトを掲げ、「どのような意見も正しい」と、お互いを尊重し合うことで、いくつもの壁を乗り越えてきた。

「問題が起こるたびにコミュニケーションを図り、学生や社員、社会にとって一番有益な方法を考えました。中小企業やスタートアップの多くは、人事担当者は一人のみ。そんななか、一緒に考え、動ける心強さやありがたみを強く感じました」

学生にとっても企業にとっても大きなメリットがある、共同開催のインターンシップ。単位認定などの影響で教育機関が主導するインターンシップが増加したなか、受皿となる企業が増えること、学生とのマッチング精度が高まることで、教育機関の担当者の負担軽減にもつながるだろう。今回大賞を受賞した「千葉の街を築く、建築・土木・内装工事×建設tech」のような共同開催は、インターンシップの“未来のスタンダード”になる可能性を秘めている。

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