
ノートルダム清心女子大学は、1924年にアメリカの修道女会から派遣された6人のシスターによって創設の礎が築かれた。1949年に、中四国で初の4年制女子大学として開学。キリスト教精神に基づき、真の自由人を育てることを教育理念とし、英語英文学科では英米文学、言語学、英語教育に加え、コミュニケーションスキルと異文化適応力を備えた人材の育成を目指している。
「ノートルダム清心女子大学英語英文学科インターンシッププログラム」は、オーストラリアの協定校であるニューカッスル大学からの要望を受け、交換留学生向けのインターンシップとして誕生した。学問で培った力を実社会で活かす実践型インターンシップで、英語英文学科の木津教授によれば、実社会で学びを試し、さらに発展させることを目的に、短期から長期まで多彩な就業体験を提供しているという。
「文学部の学びは仕事に直結しにくいという固定観念が、いまだに広く存在しています。また、本学の英語英文学科は英語力や文学、言語学といった分野における教育の質に定評があるものの、『どこに就職すればよいのかわからない』と進路選択に迷う学生も少なくありません。しかし、実際には人を理解し、言葉を通して社会や他者と向き合う力を養うことができます。AIが得意としない文脈理解や想像力、人間理解といった、これからの時代に求められる力を身につけられる点も大きな特徴です。こうした学びの価値を学生自身が実感できるよう、身につけた知識やスキルが社会でどのように活かせるのかを可視化したいと考え、このプログラムを設計しました」
受賞プログラムは、派遣前の体系的な事前学習、企業との丁寧なマッチング、就業中の業務日誌への教員のフィードバック、事後の成果発表までを一貫して行うことで学生の主体性を高め、学びを言語化する力を促している。語学力や異文化適応力を実務経験と結びつけ、成長実感や将来像の具体化につなげている点が、高い教育効果につながるプログラムとして評価された。

「ノートルダム清心女子大学英語英文学科インターンシッププログラム」では、職業理解を深める実践の場を提供し、学生が自信を持って進路を選べるようにすることを目的に、3つの育成目標を掲げている。
「1つ目は、キャリア形成支援による主体性の向上です。自己理解を深め、将来のキャリアビジョンを明確にすることで、学生が主体的に学び、成長する姿勢を育みます。2つ目は、実務経験を通じた社会人基礎力と専門実践力の育成です。企業や団体での業務を通して、コミュニケーション力や問題解決力などの習得を目指します。3つ目は、グローバルコミュニケーション力の養成です。国際的な事業環境での実務経験を通じて、英語力や異文化適応力の強化を狙いとしています」
プログラムは、グローバルビジネス・国際協力・ツーリズム・メディアの4分野で構成されている。事前指導、就業体験、事後指導を一貫して行い、学生の成長を丁寧にサポート。また、学生同士で頼り合いすぎないようにし、派遣先の方々と積極的に交流してほしいという考えから、派遣人数は基本的に各企業・団体につき1名としている。
「派遣先は、製造業からホテル、旅行会社、NPO法人まで、多岐にわたります。岡山県内でもグローバル展開をしている多様な企業や団体に本学科の教育理念をご理解いただき、英語に触れる機会を含めた就業体験を実現しました」
プログラムは、1月の説明会を皮切りに、2月の募集・選考、3月の派遣先マッチングへと進む。派遣先が決まったら担当教員とともに挨拶に伺い、就業体験の時期や内容を確認する。4月から6月にかけて事前指導を行い、準備が整った学生から順次インターンシップがスタート。就業体験は最長で12月まで続き、その後、オープンキャンパスに合わせて成果報告会を実施する。英語英文学科准教授の松井さんによれば、プログラム開設初年度の2025年度は、学部生・大学院生合わせて10名が参加したという。
「このプログラムの特徴は、担当教員と派遣先が密に連携し、学生が安心して就業体験に取り組める環境を整えている点にあります。事前指導では、自己理解を深めるワークやマナー、コンプライアンスの講義を行い、授業後の振り返りでは教員がフィードバックを実施。また、現場での学びを深めるため、就業前に派遣先の研究レポートを作成します。就業期間は1~4週間とさまざまですが、期間中は毎日オンラインで業務日誌を提出し、教員が随時フィードバックを行うため、問題が起きても迅速に対応できるのが特徴。さらに、長期派遣の場合は担当教員が派遣先を訪問し、状況確認や情報共有も行っています」
事後学習の機会が充実しているのも、大きな魅力だ。事後指導では自身の体験を振り返り、成果と課題を言語化する。学生からは、「働く意味を自分の目で確かめられた」「将来像を具体化できた」「自己分析に役立った」など、成長につながったという声が多く寄せられたという。また、プログラムの集大成として、オープンキャンパスに合わせて成果報告会を実施。当日は、受験予定の高校生や保護者、在学生に加え、派遣先の担当者や事前指導でお世話になった外部講師も参加し、成果を発表した後には丁寧なフィードバックを受けることができる。
「学生のコメントや担当教員の観察を踏まえると、学生の成長は主に5つのポイントにまとめられます。コミュニケーション力の向上、英語運用能力の向上、就職までに何をすべきかを発見したことによる学習意欲の高まり、キャリア像の具体化、社会で働く実感の獲得による自信の醸成です。また、派遣先の企業・団体からも高い評価をいただいています。手厚い教育体制による受け入れの安心感、意欲と適応力の高い学生との出会い、成果報告会を通じた企業間連携の促進など、大学と企業が協働する人材育成モデルとしての価値が明確に示されていると言えるでしょう」
「ノートルダム清心女子大学英語英文学科インターンシッププログラム」は、学問と実践、そしてキャリアをつなぐ成長循環モデルである。学生の主体的な学びを促し、企業・団体との協働を通じて、継続的な育成基盤を築いている。松井さんによれば、文学部生の汎用的スキルを活かした派遣先の拡大や、対話型の成果報告会の導入なども視野に入れながら、教育的効果をより高めるプログラムへと発展させていきたいという。今後も、学問と実践をつなぐ成長循環モデルとして、さらなる発展が期待されている。

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