インターンシップに参加した学生たちによる本音座談会。後編をお届けします。(前編はこちら)
参加メンバー
Kさん(学習院大学4年生・文系)
Sさん(慶応義塾大学4年生・文系)
Iさん(早稲田大学4年生・文系)
オンライン開催とオフライン開催
学生にとってどちらが魅力的なのか
――コロナ禍ということもあり、やはりオンライン開催が多かったのですか?
【Kさん】はい。私が参加した8~9割は、オンラインで実施されました。
【Iさん】やはり、そうですよね。私も、オフラインは12社中2社のみでした。
【Sさん】私は、できるだけ長期のインターンシップを選ぶようにしていたので、オンラインだけでなくオフラインでの開催も多かったです。
――オンラインとオフライン、両方に参加してみてどうでしたか?
【Kさん】時間的なことや交通費のことを考えると、オンラインはすごくありがたかったです。
【Iさん】そうですよね。しかも、自宅で気軽に参加できるのもよかったです。
【Sさん】最低でも3日間以上のプログラムを選んでいたので、どうしても参加したいものが重なってしまうことがあったんです。そんなときは事前に会社に相談すれば、コアタイムだけ参加してそれ以外は抜けていいなど、融通を利かせてもらうことができました。これは、オンラインだからこそのメリットだと感じましたね。
【Iさん】え、そんな融通を利かせてもらえるんですね。驚きました!
【Sさん】ただ、私個人としてはオフラインのほうが好きでしたね。
【Kさん】私もです! オンラインの場合、職場の雰囲気や社員の人柄がわかりづらいところがあると思います。オンライン説明会で社内の様子をライブ中継してくれた会社があったのですが、他のプログラムでもそういうのがあればいいのになと思いました。
【Iさん】あと、オンラインでずっと顔を出し続けるのが大変で、気を休めるヒマがありませんでしたね。
【Kさん】私が参加したオンラインのプログラムでは、「説明を受けているときは、映像はオフでOKですよ」「グループワークが始まったら、顔出しをお願いします」と事前に周知してくれたところがありました。
【Sさん】複数のコミュニケーションを同時並行でできるオフラインと違い、誰かが話しているときは全員黙っていなくてはいけないのも、オンラインのデメリットですね。
――では、オフライン開催のメリットは何でしょうか?
【Kさん】実際のオフィスに足を運んで、働いている方々と直接お会いできるので、職場の雰囲気や社員の人柄がしっかり伝わってくることですね。オフラインのほうが話しやすいと感じました。
【Iさん】確かにオフライン開催のほうが、入社後の自分の姿をイメージしやすかったですね。「こんなところで働けるんだ!」とモチベーションアップにも繋がりました。会社の近くのグルメ情報などをキャッチできたのもよかったですね。
【Sさん】それに、参加者同士の距離も縮まりやすいと思います。5日間のインターンシップに参加した際、グループワークで夜遅くまでみんなで作業に取り組んだんです。まるで文化祭みたいな一体感が生まれて、とてもいい思い出になりました。
業界や会社、仕事への理解を深められることだけが
インターンシップに参加する魅力ではない
――オンラインとオフライン、それぞれにメリットがあるんですね。
それではずばり、インターンシップに参加してよかったことは何ですか?
【Sさん】長期間のインターンシップに参加して、実務を経験できたことが大きな収穫です。2ヵ月間にわたるある会社のインターンシップでは、アプリに関するマーケティング業務を経験しました。ユーザーへのグループインタビューを実際に見学したりすることもできました。
【Iさん】実践さながらの経験が積めるのは、長期のインターンシップならではの魅力ですよね。
【Kさん】いい面も悪い面も含めて、業界や会社のことを深く理解できるのが、インターンシップのメリットだと思います。また、選考やグループワークの経験をダイレクトに就職活動に活かせたのもよかった点です。そのほか、1DAYの場合は一期一会だからこそ、一緒に参加した学生に就職活動の悩みを話しやすかったです。
【Iさん】インターンシップに参加してよかった点は、その業界や職種で必要とされているスキルや、同じ業界を目指す学生たちのレベル感がわかったことです。また、エンタメ業界を目指している友人がいなかった私にとって、同じ目標に向かう仲間と出会えたのも大きなメリットでした。私も映画サークルで映像作品を撮ったりしていたのですが、クリエイティブな活動をしている学生の作品を見せてもらうなどし、大きな刺激を得ることができたんです。
【Sさん】あとから気づいたのですが、インターンシップを通して感じた社員さんの魅力などは、就職活動時の一つの志望理由になりえると思います。
【Iさん】確かにそうですね!
プログラム内容や社員の対応で
企業イメージが大きく変化する
――参加することで企業イメージがアップしたプログラムはありましたか?
【Kさん】実際にお客さまに提案するみたいに、営業のロールプレイングを体験できたものは、仕事のイメージがしやすくてよかったです。ゲーム感覚で楽しみながら仕事や会社の理解を深められる、グループワークを実施していた会社も好印象。学生の立場に立って内容を考えてくれているというのが、とても伝わってきました。また忘れられないのは、就職活動に役立つようにと模擬面接を実施してくれた会社。学生のためにそこまでしてくれることに感動しました。
【Sさん】一番印象に残っているのは、保険会社の3日間のプログラムです。1日目は座学で保険の基礎を学ぶことができ、知識をしっかりインプットしたうえで、実践的なワークに挑むことができました。さらに、海外拠点との会議にも参加。ロールプレイングやシミュレーションではなく、実際の現場に身を置くことができ、リアルな仕事体験をすることができました。
【Iさん】エンタメ系は自分たちで企画を考えてプレゼンするというグループワークが多かったのですが、フィードバックをしっかりくれた会社には好印象を受けました。きちんと点数までつけて、その根拠をしっかり示してもらえると、納得感も大きかったです。また、きちんとダメ出しをしてくれた会社も好印象でした。ある会社の担当者さんから「プレゼン資料が長すぎる」とズバッと指摘されたのですが、とても勉強になりましたね。
【Kさん】いい意味でギャップを感じた会社も、好印象でした。例えば、体育会系で自分には合わないかなと思っていた商社が、実はすごく落ち着いた雰囲気でビックリ。また、堅いイメージを持っていた会社の人事担当者さんが「パリピ」などと砕けた言葉を使っているのを見ると、すごく親近感が湧きました。
――逆に、参加して企業イメージがダウンしたのはどんな内容でしたか?
【Iさん】残念だったのは、業界や会社の紹介がメインの内容だったプログラムです。自分で調べればわかるレベルの情報しか得られないのは残念でしたね。
【Sさん】ある企業では、私たち学生にグループワークをさせて放置状態になってしまいました。参加者同士は仲良くなれたのですが、学べることがあまりなかったのは非常に残念に思いました。
【Kさん】衝撃を受けたという意味で言うと、採用面接で雰囲気がまったく異なる会社です。インターンシップのときはずっと笑顔で、質問にも丁寧に答えてくれて好印象だったのに、いざ面接になると圧迫感のある態度に豹変した人事担当者さんがいました。その“キャラ変ぶり”が意外すぎて、思わずビックリしてしまいましたね。
――10社以上のインターンシップに参加した経験をふまえて、企業の皆さんに伝えたいことはありますか?
【Sさん】多くの企業は、いいところしか見せてくれません。そうなってしまうのも理解できるのですが、学生の立場としては仕事の大変さや厳しさも含めた“仕事のリアル”を知りたい。泥臭い部分などもさらけ出してくれると、入社後のギャップが少なくなるんじゃないかなと思いました。
【Iさん】エンタメ業界のグループワークの多くは、自分たちでまったく新しい企画を考えるか、既存のサービスを改善する企画を考えるかのどちらかでした。両方を経験させてもらえるインターンシップがあると、多くの学生が嬉しいと感じると思います。
【Kさん】ロールプレイングやゲーム形式のワークなど、学生を楽しませる工夫をしてくれている会社は、とても魅力的に映りました。また、模擬面接を実施するなど、学生の不安に寄り添ってくれるような取り組みがあれば、多くの学生はその会社のファンになると思います。
取材後記
3名のインタビューからもわかるように、インターンシップを通して得られる情報はとても多く、会社の印象に大きな影響を与えるようです。特に、「楽しませる工夫」「プラスαの付加価値提供」や、ほめるだけでなくダメ出しをしてくれたり、キレイな部分だけでなく泥臭い部分も見せてくれたりするプログラムは学生たちから高評価のよう。
プログラム内容と社員の対応次第で、会社のイメージをより高めることが可能なので、これからインターンシップ・仕事体験プログラムを企画・運営を検討される企業・大学の皆様は、ぜひこのインタビューを参考にしていただければ幸いです。
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