「東西文化の融合をはかり、新たな文化の創造をめざす」という建学の精神を掲げ、1923年に設立された大東文化大学。8学部20学科を展開しており、東京都板橋区と埼玉県東松山市のキャンパスでは、あわせて1万1000名以上の学生が学んでいる。
同校のインターンシップは、「職業体験を通じた学生の業種・職種研究、企業活動理解の促進」をコンセプトとし、2020年にスタートしたばかり。教育効果の高いプログラムを構築するためのさまざまな取り組みや、学生が平等に質の高い就業体験が得られる工夫が高く評価され、インターンシップ開始2回目で文部科学大臣賞という栄誉に輝いた。
受賞の感想を求められて、「インターンシップに関わってくださった、すべての皆さまに感謝いたします。今回いただいた賞を励みに、学生への支援をより強化していきたいです」と、キャリアセンター所長の細田咲江さんはコメントを寄せた。
同校のインターンシップは、就業体験を中心とした5日間の単位認定プログラム。自動車・IT・建設・インフラ・小売をはじめ、幅広い業界の29社と合同で実施された。
「大学主導のインターンシップなので、重視したのは教育面です。キャリアセンターと学部が一体となって学生に伴走したほか、キャリア教育実績のある企業との連携により、実践的なプログラムを提供しました」
営業体験で商談に立ち合ったり、生産ラインで製造体験を行ったり、受付で接客体験をしたりと、企業によってその内容はさまざま。ただ、教育的な価値と公平性を高めるために、プログラムの作成には同校が深く関わったという。
「まず、企業向けに準備セミナーを実施しました。講師として就職コンサルタントに参加してもらい、実施目的や受け入れ企業としての心構え、プログラム作成のポイントなどをレクチャー。採用を前提としたものでなく、教育に主眼を置いたインターンシップの特色をしっかり理解していただくと同時に、各企業のプログラムのクオリティを均一にすることを心がけました。プログラムの6割以上の時間を現場体験に充てることも、こだわったポイントです」
インターンシップの教育効果に重点を置いている同校では、フィードバックを重視。インターンシップ期間中は学生に毎日日報を書いてもらい、社員によるフィードバックを実施してもらったという。最終日には、総まとめとして全体の振り返りも行った。
「そのほか、後期の授業のなかで『インターンシップ実習報告会』を開催し、企業の関係者を招いてフィードバックをいただく機会を設けました。同時に、実習で得られたものや気づき等のプレゼンテーションは、学生から企業へのフィードバックともなり、企業にとっても大きな収穫を得られる報告会となりました」
また、インターンシップで得た知識やスキルの定着を目的に、後期の授業ではアウトプットの機会提供を心がけた。問題解決型の課題学習が、そのひとつだ。
「企業から事業に関するリアルな課題を提供してもらい、学生が当事者視点に立って解決策を考えるというもの。その提案に対して企業側からしっかりフィードバックをいただくことで、学生たちに“実践的な気づき”を与えることができました」
5日間のプログラムを通して得られた達成感は、学生たちに大きな自信と成長をもたらした。さらにモチベーションの向上にもつながり、後期の授業への出席率は通常平均より20%ほど高い、92%を記録したという。この数字こそが、同校のインターンシップの実力を、しっかり証明していると言えるだろう。
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