東京理科大学 大学院 理学研究科 化学専攻 修士2年 海東 彩加さん
慶應義塾大学 理工学部 管理工学科4年 齋藤 成志さん
法政大学 経済学部 経済学科3年 木村 彰吾さん
慶應義塾大学 法学部 法律学科2年 亀里 千佳さん
マイナビ社長室 HRリサーチ部部長 栗田卓也
インターンシップカンファレンス当日は、「学生部会」のメンバーとして本アワードの先行に携わった現役の学生たちが登壇し、パネルディスカッションを行った。モデレータはマイナビ社長室 HRリサーチ部の栗田卓也部長が務めた。
栗田(以下敬称略):今日は実際の学生たちがインターンシップ(以下IS)に何を求め、どう考えているのか、ご来場・ご視聴いただいている皆さんにお届けできればと思います。
実際にどんなISに参加され、どのような学びを得ましたか?
海東:広告代理店のISで、クリエイターの方の講演を聞き、個人・グループワークをしました。ターゲット層を深掘りするなど、課題の本質を考えることでアイデアの幅が広がることを知りました。
木村:僕は大学のPBL(Project Base Learning)で参加したのですが、ITベンダー企業のプログラムで、「企業にマッチする学生40人を採用する方法」について考えるという内容でした。企業の事業を分析し、仕事の意義を見出す重要性について学べたと思います。
栗田:大学と企業が連携したプログラムの例も増えています。そうした取り組みが学生参加の多様性につながるのかもしれませんね。では今回、審査の過程で皆さんが重視したポイントについて聞いていきたいと思います。
亀里:まずは「フィードバックの充実」です。学生の大半は自分の興味・関心がどう社会と関わるのかわからないので、行ったタスクに対する社会人からのフィードバックが成長するためには不可欠です。学生フィルターをかけないリアルなフィードバックが望ましく、一人ひとりに気づきを与えてくれるような内容であれば厳し目で構いません。頻度は多すぎず、学生にも考えさせる余地があるといいですね。
齋藤:それから「現場体験の充実」です。現場体験はキャリアを考える際に重要な指標となります。さらに実務に入る前に「その仕事をする意義」の導入があると、よりリアルに仕事を感じられると思います。
木村:例えば営業職の入口から出口まで一連の流れすべてを体験できると、学生と企業の間にある仕事観のギャップが埋まります。
海東:私はオリジナリティも重視しました。会社の強みが地域の課題解決とつながったプログラム企画などは魅力的でしたね。
栗田:選考では、「あらゆる学生に門戸が開かれ、参加機会が与えられているか」という点が挙がりましたが、最近は事前選考を設けるケースも多くなっています。
齋藤:リソースが限られている事情は理解できますが、可能であれば、体験業務を細分化して参加枠を増やすなど、より多くの学生が参加できる環境であればいいと思います。
木村:僕が感じているのは、学年不問のISがまだまだ少ないことです。高校生も含め、低学年からのISがもっと増えると学生の選択肢が広がるでしょう。
亀里:私自身が低学年ですが、周囲を見ると、報酬面でアルバイトを選んでしまうことがあるようです。また、必修の多い時期でもあるので拘束時間の柔軟性など、多様なニーズに応えていただけると参加しやすいです。
齋藤:中長期のISがもっと増えるといいなと思っているんですが、確かに長期となると労働の対価も大事になりますね。
木村:低学年で短期IS、その上で3、4年生では中長期ISに参加する流れが理想的ではないかと思います。
海東:高校生からのIS参加は私も理想的だと思います。キャリアを考えた上で大学受験に臨めますから。
木村:学生にとっての有益性を追求し、つねに内容がアップデートされている、夏と冬で別のことが体験できる、などの工夫があると嬉しいですね。
亀里:過去の参加者とつながって声を聞くシステムがあるなど、多くの情報が開示された状態で取捨選択できるとありがたいです。
栗田:ありがとうございます。本日の学生部会メンバーの声が、皆さんの今後のIS設計に役立てば幸いです。
就業体験はキャリアデザインをする上で重要な役割を担う。だからこそ、なるべく多くの学生がインターンシップに参加できるシステムが望ましいのだ。本日のディスカッションでは低学年向けのインターンシップや中長期プログラムへの要望をはじめ、さまざまな提案が出された。インターンシップの多様化が、より良い選択につながることは間違いない。
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