島根県松江市に本社を構え、60年以上にわたって電気・通信・水道といったライフラインの整備・工事を手がけてきた島根電工。「住まいのおたすけ隊」というキャッチコピーを掲げ、山陰地域を中心に人々の暮らしを支えている。
インターンシップを開催するにあたって、地元の島根県立大学と連携。学生9名を迎え入れて学生広報室を立ち上げ、4月から9月までの約6ヵ月にわたって、SNSを中心とした会社のプロモーションを行ってもらったという。インターンシップのプログラムとして広報活動を選んだ理由を、代表取締役社長の野津廣一さんは次のように語ってくれた。
「SNSを使ったプロモーション活動は、当社の数年来の課題でした。社内で何度か試みたものの、なかなかうまくいかない。そこで、デジタルネイティブ世代である学生たちのアイデアや発想を取り込もうということになりました」
プロモーション施策を通して多くの社員と交流を図り、社風や企業文化に直に触れながら、自らアクションを起こして会社の魅力を発信していく学生主体のプログラム。学生たちが自由な発送でアイデアを具現化していくことで、高い教育効果が得られる点が高評価につながった。
HPや会社説明会、口コミなどによる、間接的かつ受動的な情報ではなく、リアルな体験を通して仕事や会社の魅力を発見できるのが特徴。SNSにアップするためのインタビューや動画撮影を行うことで、多くの社員たちと交流を深められるのもポイントだ。
「長期にわたって社内に深く入り込み、プロモーション施策の実施に向けて多くの社員と接することで、学生たちは当社のリアルな姿を知ることができます。また、広報活動を仕事として捉え、責任感を持って本気で取り組んでもらえるよう、有償型インターンシップとしました」
期間中、学生たちは自由な発想で想い想いの動画を制作し、SNSにアップ。その再生回数は、トータルで127万回を記録した。なかでも、「電線チャレジ!社員さんに、メジャーを使わずに電線を100cm測っていただきました!」という動画の再生回数は34万2800回。「バズった!」と、社内でも大きな反響を呼んだ。
「SNSでのプロモーションのほか、インターンシップのコンテンツ企画・実施、就活生向けの会社紹介冊子の作成、社内報への原稿掲載など、さまざまな広報業務にチャレンジできる場を提供。学生たちが主役となって活躍でき、成功体験を味わえる機会をたくさん設けました」
任せたら任せっぱなしではなく、島根県立大学とも密に連携しながら学生たちを丁寧にフォロー。まず、大学の教員やキャリア支援の担当者とメッセージアプリを活用して、タイムリーかつスムーズに情報共有ができる体制を構築した。また、プログラムの中盤と終了時には、大学の教授による個別面談を実施。インターンシップで得た学びを、学生たちが自分のなかに落とし込めるサポートを行った。
「会社からフィードバックを行う際に気をつけていたのは、『与え過ぎない・伝え過ぎない・教え過ぎない』こと。答えではなくヒントのみを伝えることで、学生たちが主体的に課題を見つけて行動できるようになるのです。また、成果報告会には、大学の学長も参加。学生に向けて直接インターンシップに関する講評をいただきました」
このプログラムは、企業と大学が連携しながら人材を育成していく、地域教育の新たな形。会社として初の試みだったが、実際にインターンシップの運営に携わった管理本部教育課課長の山本 翔さんは、大きな手応えを味わえたという。
「『会社の一員として半年間活動することで、社会人として働くことの理解が深まった』『自ら動くことの大切さを学んだ』『摩擦や葛藤を乗り越えて、チームがひとつになるという貴重な経験ができた』などという参加学生の声を聞き、やってきたことは間違いではなかったんだと確信できました」
学生たちが発信したSNSは、地域のお客さまはもちろん、中高生などからも大きな反響があったという。学生視点でのSNSを通じたプロモーションは、大きな効果が期待できるインターンシップとなるだけでなく、会社の“未来のファンづくり”へもつながっていくのだ。
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