株式会社麦の穂・椙山女学園大学企業の課題解決と大学での学びをシンクロさせ、 産学連携の魅力を凝縮したプログラム

株式会社麦の穂・椙山女学園大学

企業の課題解決と大学での学びをシンクロさせ、
産学連携の魅力を凝縮したプログラム

シュークリーム専門店『ビアードパパの作りたて工房』をはじめ、さまざまなスイーツブランドを展開する麦の穂。1999年に1号店をオープンし、現在は国内に262店舗、海外12ヵ国2地域に200店舗を出店している。「新たな感動の形を創造し、常識を変え、未来を切り拓く」という理念のもと、なりたい自分になるための自律型キャリア開発に注力。日本で一番“人”が育つ会社を、本気で目指している。

一方、椙山女学園大学は、1905年に誕生した女子総合大学。7学部11学科、4研究科を擁し、愛知県名古屋市・日進市にキャンパスを展開している。「人間になろう」という教育理念を掲げ、創立以来「女性により高い教育の機会を提供する」ことを目指している。女性が社会で自立して生きていく力を養成し、ライフステージごとの課題を乗り越えることを支援する、「トータルライフデザイン教育」を実践している。

大賞を受賞したインターンシップは、麦の穂と椙山女学園大学の想いがシンクロして誕生したプログラムだ。麦の穂では、女性中心の会社でライフステージの変化などの理由から、30代に入ると離職率が高くなるという課題を抱えていた。そんな中、「トータルライフデザイン教育」に注力している椙山女学園大学を産学連携パートナーとして迎え入れ、今回のプログラムが誕生。産学連携ならではのメリットが詰まったプログラムで幅広い経験が積めるほか、事前学習・事後学習が充実している点が、多くの学生たちの心を捉えた。

大賞受賞を受けて、麦の穂 執行役員 経営管理本部長である上田勝幸さんは、「椙山女学園大学の先生から、『せっかくですから高い目標を掲げましょう』とお声掛けいただき、キャリアデザインプログラムアワードの存在を知りました。賞を獲ることが目的ではありませんでしたが、このアワードのおかげでチームがひとつになれたことは確かです」と語った。

また、椙山女学園大学の尾内里江さんは「名誉ある賞をいただき、本当にありがとうございます。『トータルライフデザイン教育』がこのような形で皆さまに知っていただけることをうれしく思っております」と語ってくれた。

キャリアデザインスキルを磨ける
手厚い事前・事後学習と多彩な仕事体験

プログラムのコンセプトは、キャリアデザインスキルの習得。キャリア教育をベースとした事前・事後学習と、夏5日間+秋2日間のトータル7日間にわたる麦の穂でのキャリアパス体験を通して、自己理解と仕事理解を同時に深めることができる。例えば、大学での事前学習ではインターンシップの目的や目標設定について考えることの重要性を伝え、業界研究や企業研究、自己分析の方法をレクチャー。また、麦の穂でも学生一人ひとりの“なりたい自分”に向けた目標設定を行い、仕事への理解を深めてもらうために事前課題も用意した。

「また、キャリアデザインスキルを習得できるよう、さまざまな仕事を体験できる機会を提供しました。夏開催の5日間では、『ビアードパパの作りたて工房』の店舗運営からスタートし、営業企画部でマーケティング、商品企画部で商品企画、事業開発部で新業態のプロデュースを体験。その後、各自でキャリアプラン作成を行ない、自己学習でなりたい自分を探求していってもらいました」

秋開催のプログラムでは、まず情報システム部でDXを活用した業態開発にチャレンジした。次に、海外事業部で海外マーケティングを体験。シンガポールと台湾、日本をリアルタイムでつなぎ、オンラインでディスカッションを行った。

「そして12月に、大学の授業『仕事学入門講義』に登壇し、本プログラムに参加していない学生に向けて、実施したプログラムやキャリアデザイン研修を紹介する場を設けました。秋開催から1ヵ月以上間を空けたのは、学生がじっくり振り返れるようにという配慮からです」

学生にも企業にもメリットがあるからこそ、
“サステナブルなインターンシップ”へと発展

学生一人ひとりのキャリアデザインスキルを育むために、万全のフィードバック体制も構築。麦の穂と椙山女学園大学の双方で、事前学習で立てた目標の振り返りを行い、職業体験で得たものが身についているかを確認したうえで、今後の学生生活や就職活動にどのように活かしていくのかを考える時間を用意した。そのほか、麦の穂ではジョブローテーションした部署ごとで、部長クラスがフィードバックを実施。椙山女学園大学でも、インターンシップを通じた成長体験を、『オンライン報告会』で発信する場を設けた。

「キャリアデザインスキルの習得にあたって重要なのは、リクレクション(内省)。そこで、キャリアコンサルタント・公認心理士・臨床心理士などの資格を有する椙山女学園大学の専門家の意見をもとに、学生の発達段階に応じたフィードバックを取り入れ、授業との連携を図った点もポイントです」

麦の穂の上田勝幸さんによると、産学連携インターンシップは大きな可能性を秘めているという。企業側は経営課題を解決するヒントを得ることができ、学生側はキャリアデザインスキルを高めることができるからだ。

「多くの企業にとって、『学生のために』という気持ちが、インターンシップ開催の原動力になっているでしょう。ただ、想いだけで継続させていくのは難しいのが現実。ところが、リアルな経営課題を学生に開示し、若い世代の才能や発想を積極的に吸い上げて課題解決の糧にすることで、大きなメリットを享受できるのです。また、学生側はリアルな経営課題と向き合うことで、正しい仕事理解と自己理解を得ることができる。そういった仕掛けさえ盛り込むことができれば、“サステナブルなインターンシップ”を実現できると考えています」

麦の穂と椙山女学園大学のプログラムには、産学連携インターンシップを無理なく続けるためのヒントが凝縮されている。学生はトータルライフデザインをしっかり描くことができ、企業は経営のヒントを得られるインターンシップだからこそ、持続可能なプログラムであり続けるのだろう。

「学生が選ぶ
キャリアデザインプログラムアワード」
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