ボッシュ株式会社優秀賞 「Seasonal Internship(シーズナルインターンシップ)」

ボッシュ株式会社

2年連続の優秀賞
中長期のインターンシップの機会を提供

ドイツに本拠地を置くボッシュ・グループに属するボッシュ株式会社。1911年に日本で事業を開始し、主力事業であるモビリティソリューションズに加え、産業機器テクノロジー、エネルギー・ビルディングテクノロジー、消費財といった4事業を展開している。日本の自動車メーカーや部品メーカーのビジネスをサポートしており、モビリティのネットワーク化、自動化、電動化をテーマに変革を迎えた自動車産業において、新しいモビリティ向けのソリューションを提案している。日本のボッシュのグループ従業員は約6,000人。コーポレートスローガンである「Invented for life」を体現する革新的なソリューションを提供し、世界中の人々の生活の質の向上に取り組んでいる。

同社は昨年に続き、2年連続の優秀賞受賞となった。今回受賞したシーズナルインターンシップは、約1カ月間のインターンシップだ。それだけの期間受け入れるのは企業にとってもハードルが高くなるが、社員の協力を得て多数の受け入れ部署を用意した。またコンテンツはインターンシップのために共通の課題を用意するのではなく、学生は部署の一員として受け入れられ実際の業務を担う。そのプロセスを通し、学生は社風や社員の働き方を間近で感じることができ、キャリアを展望化できる点が高く評価された。

人事部門採用・人材マーケティンググループマネージャーの市山千奈美さんは「昨年受賞したグローバルインターンシップに続き、今年はシーズナルインターンシップを評価いただき嬉しく思います」と喜びの声を上げた。

国内学生が参加しやすいよう
時期・期間・頻度をフレキシブルに対応

具体的なプログラムは、人事部門採用・人材マーケティンググループ主任の相川優衣さんから説明があった。

「ボッシュでは、主に3つのインターンシップを実施しています。昨年受賞したグローバルインターンシップ、今年受賞したシーズナルインターンシップ、そしてスタンダードインターンシップです。グローバルインターンシップは海外拠点で実施し、スタンダードインターンシップは約半年のインターンシップです。スタンダードインターンシップは、従業員と同じように週5日の出勤が基本となるため国内の学生は参加が難しく、約95%は海外大学の学生です。そこで、もう少し参加しやすいよう中期のインターンシップを企画しました。それが、シーズナルインターンシップ。夏休みの8月〜10月のうち3週間〜2カ月ほど出勤していただきます。頻度も週3日〜5日と、参加のしやすさを意識しました」

国内学生をターゲットにした企画が功を奏し、2018年度はシーズナルインターンシップで11部署・16名の受け入れを行った。広報活動には、ナビサイトや学内セミナーを活用し、口コミによる拡散も意識してプロモーションを行った。

「シーズナルインターンシップにおいて工夫した点は、二つあります。一つは学生に合わせたオーダーメードの運用をすること。インターンシップの時期、期間、頻度を相談可能とし、フレキシブルに対応しました。二つめは、本当の就業体験であること。学生をメンバーの一員として受け入れるため、学生向けのプログラムを用意するのではなく、従業員の仕事を手伝う形で実務に携わってもらいました」

学生と受け入れ部署の双方にメリット
若手社員のメンター経験にも

シーズナルインターンシップには、学生と受け入れ部署の双方にメリットがあったという。学生にとっては働く環境を最もリアルに体感でき、仕事に関する価値観に迫ることができる。セミナーや学生同士のワークの場合、会社を知る時間も機会も限られるが、週3日や5日で出社し、社員と膝を突き合わせて過ごすことにより、言語化の難しい企業組織への「フィット感」を体感できる。

他方で受け入れ部署からはこんな声が上がった。「学生に業務を教える機会を得たことで、習慣となっていた業務を改めて見直したところ、業務改善ができた」、「第三者のフレッシュな意見によって、業務効率がアップした」、「後輩を持たない2〜3年目の若手社員にメンターとしての経験をさせることができた」等々。

相川さんは「自分の部署が若手にとって魅力的かどうかを考える機会はなかなかありません。また人に伝えることで、知識や業務の棚卸しになったという意見も多く寄せられました」と語り、シーズナルインターンシップが既存の社員に対しても良い影響をもたらしていたと総括した。

最後に、市山さんはボッシュのインターンシップの展望について述べ、同社が抱える今後の課題にも言及した。

「現在は、AIやIoTといった分野に関心のある学生に何かできないかと、インドでの新たなプログラムを考案しているところです。日本の学生は夏休みや冬休みといった大型の休暇がないと、中長期のインターンシップへの参加が難しいです。ボッシュの長期インターンシップはほとんどが海外大学生なので、日本の大学生にも同様の就業体験の提供ができないか、フレキシブルな対応をしていきます。ボッシュとしてできることを、一つひとつ積み上げていきたいと思います」

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