株式会社力の源ホールディングス優秀賞 「一風堂グローバルインターンシップ」

株式会社力の源ホールディングス

大学と共に開発した
産学連携のグローバルインターンシップ

株式会社力の源ホールディングスは、ラーメンの「一風堂」で知られる企業だ。福岡県に本社を置き、一風堂のほかにも複数の飲食店ブランドを運営している。「Japanese wonder to the world」をスローガンに、近年はグローバル市場への拡大に注力しており、2019年3月時点で14ヶ国・266店舗を展開する。

今回の「一風堂グローバルインターンシップ」は、海外本部があるシンガポールへ渡航し、現地店舗で行う課題解決型のインターンシップだ。プログラムは産学連携で企画されており、英語でのコミュニケーション、課題解決プロセスにおける分析手法やフレームワークの体得、提案アウトプットまでのチームワークなど、学生のスキルアップがなされるよう工夫されている。また渡航前の事前研修や、現地社員および日本から渡航した社員からの適切なフィードバックを行うとともに、帰国後には日本での報告会を開催するなど、フォローも手厚い。実施場所は海外だが、このまま国内に置き換えたとしても参考にすべきポイントが多く、他社の模範となるべきプログラムとして評価された。

今回シンガポールが開催地として選ばれた理由は、海外事業本部がシンガポールにあるという点、同社から駐在している日本人が多い点、治安が比較的良いという点、日本との時差が1時間しかなく学生への負担が少ないという点などが挙げられるという。シンガポールでは11店舗を展開しており、日本酒バーなどラーメン以外のさまざまな業態を運営している。

採用教育グループの関口照輝さんがプレゼンターを務め、インターンシップに込めたねらいや思いについて語った。

プレスリリースを通して、学生だけでなく
社会全体にインターンシップを発信

「私たちのインターンシップの特長は、産学連携ということです。インターンシッププログラムは、北九州市立大学と下関市立大学の先生方、教授、学生の方々と一緒に共同で開発をいたしました。そのため、インターンシップ広報はまず大学を通して行いました。説明会を実施し、このプログラムを通してどのような成果が得られるのか、ゴールは何なのかということを説明しました。同じ九州ということもあり、大学の先生方も弊社がどのような会社かをよく知っていただいています。ときには『この学生は一風堂らしいよね』といった形で、先生方から学生にプッシュしていただいた事例もありました。

またブランディングを兼ね、インターンシップに関するプレスリリースをPR TIMESなどで行いました。ラーメンという商材を武器に、グローバル展開をしていくためには学生だけでなく、社会に対してもメッセージを発信していくことが大切だと考えています」

ミッションは来店客を300人増やすこと

シンガポールの渡航期間は8月中旬から約2週間。受け入れ人数は提携校2名ずつの計4名だったが、提携校を増やしていきながら今後はさらに増やしていきたいと関口さんは話す。交通費は学生負担だが、それでも学びたいという強い意志を持った4名が集まった。

スケジュールは、まず日本で説明会を行った後にメンバーの顔合わせがあり、事前課題に取り組む。内容は、地元や学校に近くにある飲食店を想定し、課題の設定とソリューションを探るというもの。それらを通してビジネスのフレームワークなどを身に付けたところでシンガポールへ渡航となる。現地ではオリエンテーション実施後、一人2万円を支給し、食べ歩きのためのリサーチ費用としてもらった。

現地でのフィールドワークのテーマは「各店舗で月300人の増客施策を提案せよ」というもの。同じ大学の2名で1チームとなり、シンガポール内11店舗のうち1店舗を選び課題に取り組んだ。

「下関市立大学の2名は、ビジネス街にある店舗を選びました。通行人110人ほどに英語で街頭インタビューをしたり、3C分析やSWOT分析といったフレームワークを通して、自社と他社の差別化を図り契約に結び付けていくというフローで進めていきました。オフィス街の飲食店は、お客さまの回転率が鍵になります。そこに目を付けた彼らは、注文にタブレットを導入したり立ち食いスタンドを用意したりといったことを提案しました。同時に、アイドルタイムとなる15時前後はカフェタイムとして、打ち合わせをしたりコーヒーを飲んだりできるようなスペースを作るという提案もありました。実は、その発表を聞いていた創業者が『ぜひ取り入れたい』と申したことから、一部実現に向けて動いているものもあります。

もう一方の北九州市立大学の2名は、シンガポールの顔ともいえるマリーナベイサンズの店舗を選択。マーケットの大きさを知るために、まずはマリーナベイサンズのホテルの部屋数、チェックイン数といったところから調査を開始しました。新規客をターゲットに据えた彼女たちは、来店数を300人増やすためには1時間当たり1人増やせば達成できるというロジックのもと、さまざまな提案をしてくれました。2校とも素晴らしい提案でした」

社内の関心度を高めるため
創業者も巻き込んだプログラムに

評価項目は、北九州市立大学と共同で作成。「課題の把握・情報収集・プレゼン力・根拠とオリジナリティ」という4項目からそれぞれの評価を実施した。シンガポールでの発表では下関市立大学の2名が優勝するも、1カ月後の国内発表会では、負けず嫌いの北九州市立大学の2名が内容とプレゼンにより磨きをかけ、逆転勝利をみせる展開もあった。産学連携のもと取り組んだ本プログラムは、こうして華々しく幕を閉じた。

関口さんは、インターンシップを企画する際に意識したポイントをいくつか列挙した。まずは現地での吸収効率を上げるために、事前課題に注力したこと。マーケティング基礎を学ぶ機会を事前に提供していたことで、フィールドワークがよりスムーズになった。また現地スタッフとすぐに溶け込むことができるよう、事前に動画を撮影したり、学生への接し方などを共有したりした。意外にも効果的だったのは「学校対抗」という構造。学生だけでなく、サポートする先生方も「下関に負けるな!」「北九州に負けるな!」と意気込み、学生が学校の看板を背負ったことで、ほどよい緊張感の中でインターンシップを実施することができたそうだ。

「弊社としても、インターンシップを全社的なイベントに育てていきたいという思いがありました。人事がやっている1イベントとして小さくまとまるのではなく、全社を巻き込んでいきたいという思いから、創業者に参加してもらい協力してもらったことは大きかったです。社としても今後もグローバルで勝負していくにあたり、国際感覚を私たちの事業と連動させ、事業拡大に取り組んでいきたいです。次回もシンガポールでのインターンシップを企画する予定です。今年も参加する学生さんにお会いできることを楽しみにしています」

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